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Re;;魔神が生まれた日
神崎 怜我2026年9月27日(日)

Re;;魔神が生まれた日

子供ながらに覚えていたのは

周りには自然と人の輪ができ、

彼はこの世界の王なのだと思い上がった

環境が変わると世界は変わった

まさに、井の中の蛙大海を知らず

彼に母は言った

「○○くんは立派なのにあなたは、、、」

彼に父は言った

「○○くんは凄いな、、お前も頑張れ」

誰も彼に見向きさえしなくなった

彼はまたあの刺激が欲しかった

自分を見て欲しかった

ここにいるよ、誰か見てよ

何かを期待されるかのような

眼差しを、

沢山自分に向けられることを

「俺、転校するかもしれない」

彼は嘘をついた

「え、どこに?」

「いつ?」

「なんで?」

「転校すんなよ」

いつもは彼なんて見ていなかった奴まで、

彼の周りに集まってきた

心配する顔。

寂しそうな顔。

もっと話を聞きたそうな顔。

ああ、これだ。

欲しかったのは、これだった。

たった一つ、嘘をついただけで

彼はこの世界の王に戻れた

それから彼は、

少しずつ「本当」を

つまらなく感じるようになった

本当の自分では、

誰も見てくれない

でも、嘘をつけば

また世界の中心に立てる

魔神が生まれた日

その始まりは、

誰かを傷つけるためでも

誰かを騙すためでもなかった

ただ、

「僕を見て」

たったそれだけの、

小さな嘘だった

イソップ寓話に

「オオカミ少年」と呼ばれる物語がある。

羊飼いの少年は、

退屈しのぎに嘘をついた。

「オオカミが来た!」

村人たちは何度も駆けつけた。

けれど、それは全部嘘だった。

やがて本当にオオカミが現れ、

少年は必死に助けを求めた。

でも――

もう誰も、彼を信じなかった。

嘘を重ねれば、

本当さえ嘘になる。

嘘なんて、

最後は全て剥がれるのにね。

#悪魔でひとりごと